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【謎の生態】駐在員についての話 その②

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皆様!いかがお過ごしでしょうか。気温が最近ぐっと下がり、風邪をひかないかと心配しております欲張り素人です!

7年間近く熱帯性の国にいたため、日本の寒さはとても堪えます。。。皆さん、風邪などひかぬようぜひお気をつけください。寒くてあまり活動したくないというのが本音ではありますが、やはりそこは人生一度きり、欲張って生きていこう!がモットーの私、本日も頑張ってブログも更新していきたいと思います!

さて、本日も昨日に引き続き「駐在員って何しているの?」についてお話をしたいと思います。昨日は「駐在員の仕事・生活」についてお話をさせて頂きましたが、今回は「駐在員に求められる能力、メリット・デメリット」についてお伝えできればと考えています。

この記事は、将来海外で働きたい、その上で駐在員のことを知りたい、駐在員になりたいというかたにとても意味のあるものかと思います。ぜひ最後までご覧頂ければ幸いです!

 

駐在員ってどんな能力が必要?

駐在員として求められる能力はどのような能力なのでしょうか?これは私の主観ですが、下記のような能力が必要になるかと思います。

  • 語学
  • 理解力
  • 調整力

語学については、詳細な解説は不要ですね。少なくとも英語は必須条件です。現地の言葉は話せなくとも何とかなりますが、市場やスーパー、レストランでは話せたほうがベターです。ちなみに私は2年間駐在し、タイ語で数字を10まで数えることが出来ないレベルでした・・・。中には英語も話さない駐在員もおりましたが、個人的にはどのように仕事をしていたのか全く理解が出来ません。通訳を雇っている方もいらっしゃいましたが、コミュニケーションエラーが多発していたようです。

次に理解力ですが、これは非常に重要です。海外で働くということは、日本と違う文化で働くということになります。例えば、フィリピン・タイの人々は人前で叱られる、注意されることを非常に嫌がります。そうされたことにより辞めてしまう人もいるほどです。私自身文化の違いを適切に理解しなかったが為に大きな失敗を犯してしまいました。

私が駐在を開始したのは2015年5月、27歳の頃でした。役職はVice President(部長クラス)であり、三十路前の若造が約60名のフィリピン人の直属の上司になりました。当時は入社6年目、勿論マネジメント経験などありません。また、当時は英語レベルも決して十分とは言えず、そんな私に22歳〜53歳のフィリピン人のマネジメント、というミッションを与えてくれた前職企業には、いろんな意味で本当に感謝をしております。話を私の失敗談に戻させて頂きます。駐在開始後4ヶ月経った2015年9月、通期人事評価の時期になり、私も日本で勤務をしていた当時の”日本人上司”の評価方法を思い出しながらフィリピン人の評価を行いました。フィリピン人は文化として転職を厭わず、通常人事評価後5%前後の社員が退職・転職をしていきます。しかし、私の人事評価実施後の退職・離職率は約13%と過去最悪の数値でした。当時の私は定量的な実績を主たる評価項目としている一方、定性評価の項目としてはいかに”まじめ”に、勤勉に会社に対して忠誠心を持って残業を厭わず働いているか”を主評価をしました。一方フィリピン人は、”辛い仕事をいかに楽しく、楽に、そしてワークライフバランスを大切に”しながら仕事をしています。そのような文化もあって、職場の上司の前でも気にせず踊り・歌い・食べ、そして大切な会議にも平気に遅れてきます。期日が迫った仕事があろうとプライベートの予定があれば帰ってしまうこともよくあります。要するに、フィリピンでは一般的な文化であることが私にとっての(日本人としての)非常識であったのです。今思うに、日本人としての常識に従いフィリピン人を評価していました。それに嫌気が差し、退職率・離職率13%を招いたと考えています。長々と話してしまいましたが、文化の違いは間違いなく存在します。自分にとっての常識は相手にとっての非常識であり、その逆もまたしかりです。それをしっかり理解し、相手を理解することが出来ない人は駐在員としては失格だと思います。私はこの失敗経験を通じ、フィリピンの文化をしっかり理解すること、そして適切なマネジメント能力を身につけることの重要さを学びました。その後De La Salle Universityという大学院でMBAを取得することになるのですが、その話はいつかできればと考えています。

最後に調整力です。これはシンプルに書かせて頂きます。駐在員は、様々な場面で調整弁として機能することを求められます。本社と現地法人、他国法人、異なる人種間等・・・。従い、物事を調整するというバランス感覚やその調整事項を遂行するための実行力が求められます。私はそれらをまとめて一言で調整力、と呼んでいます。

駐在員のメリット、デメリット

さて、今回の記事の最後のトピックとして、駐在員でいることのメリット、デメリットについてお話をさせて頂きます。すべての物事に裏と表がある通り、勿論駐在員になることにもメリット・デメリットがあります。それを適切に理解し、目指すべきものとするかを検討いただく際にお役にたてれば幸いです。

メリット

  • 日本での勤務と比較し、年齢以上の権限・肩書きを持つことができる
  • 業務領域が広く、多くの知見を身につけることができる
  • 日本とは異なる文化・環境下で仕事が出来る
  • 補助・福利厚生が豊富である一方物価が安く、貯金が増える

メリットの中で、2つ詳しく解説させて頂きます。

「日本での勤務と比較し、年齢以上の権限・肩書きを持つことができる」 前述の通り、私はフィリピンで駐在を開始した際27歳であり、日本での肩書きは主任一歩前笑でした。しかし、フィリピン・タイで与えられた肩書きはそれぞれVice President(部長)、Executive Vice President(副社長)と日本でのなんちゃって肩書きと比べ非常に高いものでした。それに従い多くの部下を管掌させて頂き、幅広い決裁権限を持たせていただきました。若い頃にはお金を払っても経験を買え、とよく言われますが、決裁者やマネジメントとしての経験は非常に貴重なものになります。何より、若い幹部としての肩書きを持つことは気持ちがいいです。

「補助・福利厚生が豊富である一方物価が安く、貯金が増える」 駐在員として海外に派遣をされると、一般的には海外勤務手当、危険地手当(駐在場所による)、責任者手当、家族帯同手当、単身手当と多くの手当がつきます。みなし労働になるため残業代はつきませんが、日本の給与総額を1とすると駐在員としての給与は1.5〜2になるのが一般的です。それに加え、家賃補助や車貸与・ガソリン補助等もあり、物価の安さもあいまって(これは国によりますが)駐在を3年前後すると家を建てるに十分な資金を築けると言われています。

この2つは、The 駐在員のメリット、といったところでしょうか。

一方私が考えるデメリットは下記の通りとなります。

デメリット

  • 家族・友人となかなか会えない
  • 社内人脈が希薄化する
  • 日本にいなければ出来ないこともある
  • 地政学的リスクと隣り合わせ

個人的にはデメリットのほうが重要なのでこちらは3つ詳細に説明をさせて頂きます。

「社内人脈が希薄化する」 考えても見てください。駐在員は海外にて勤務をします。普段やり取りをする日本人は現地法人内の駐在員か、本社の窓口、または他現地法人の日本人となります。私の場合は本社での定例会議等なかったため、本社の人事に疎くなり、社内の人脈が希薄しました。勿論、これは社外の人脈にも当てはまることだと思います。勿論定期的に日本に一時帰国できれば話は別ですが、現在のコロナの状況下においてはなかなか難しく、デメリットの一つとさせて頂きました。

「日本にいなければ出来ないこともある」 例えばですが、海外在住者の場合日本の証券会社(金融機関含む)の証券口座を通じた売買が出来なくなります。例えばSBI証券のHPには「当社に証券総合口座をお持ちのお客様が、海外勤務等の理由により一時的に出国(非居住者)される場合、原則帰国されるまでの間も当社の証券総合口座(お客様名義)にて有価証券をお預けいただくことが出来ます。ただし、当社では日本国外で金融商品取引業務を行う許可をなどを外国の監督官庁等から得ておらず、居住国の法令諸規則に則った対応を行うことは出来ません。なお、出国前に設定した積立NISAの自動積立は例外となります。これは増やす力を持つ者と持たざる者の格差が拡大し続ける中では大きなデメリットとなります。

勿論、日本でしか手に入らない物、食べられない物も駐在期間中は我慢をしなければなりません。日本に帰ってから食べる物の美味しかったこと・・・。

私の場合、USCPAの資格を取ろうとしており、資格の受験がうけられない、といった事も悩みの種でした。こう考えてみるとこれは駐在員でいる上での、本当に大きなデメリットとなります。

最後に、「地政学的リスク」ですが言わずもがな、例えばコロナの状況下においては、医療制度が整っていない国にいること自体がリスクとなります。また、アフガニスタンの例は極端ですが、駐在されている方がいらっしゃった事を考えると大きなリスク、デメリットになります。

さて、いかがだったでしょうか。今回の記事が駐在員を目指している、海外で働くことを夢見る方にとって少しでもお役に立てたら幸いです。次回はまた転職活動の話に戻りたいと思います。それではまた次回。最初は全員が素人です、欲張りでいることが玄人になる第一歩です、皆さん欲張って生きていきましょう!